2025.3月号 vol.260
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今月のトピックス
会社はあなたを育ててくれない(古屋星斗著 大和書房)
今回も書籍のご紹介です。
本書は、働き方改革や労働環境の変化により、従来の「会社が社員を育てる」モデルが機能しにくい現状を指摘しています。
つまり「企業の若手を育てる力の低下」が問題となっており、若手の育成が難しく、定着させることも難しくなった中で企業が取っているのは中途採用の爆発的増加です。どれだけ増えているかというと、大企業では10年で10倍、だそうです。
2015年以降、日本には、「ゆるい職場」と「選択の時代」という二つの大きな環境変化が起こりました。もう元には戻らない不可逆的な変化が。
可処分時間(自由な時間)で努力をする時代になってしまい、以前は、若手は皆、長時間にわたる会社の仕事を精一杯していれば、あとは何もしなくてよかった、という時代が法改正により終焉を迎えました。
仕事をしていない時間に何をするのか、という、これまで全く考えなくてよかったことが職業人生のポイントとして浮上し、社会人生活の中のかなり早いタイミングでそう感じてしまうようになっている。
身近な話でいうと、社長や人事担当者はOJTやOFF-JTにより、今取り組む仕事には直接関係がないかもしれない内容も含めて「寄り道」の大切さも知ってほしいと研修プログラムを組む。しかし、当の若手社員は本心では、なんでこんなことを学ぶのか?時間の無駄だと思いながら、やらされ感マンマンで受講し、最短距離での「近道」を求めます。若手にとっては「遠回り」にしか見えないようです。
一言でどちらが正しいとは断言できません。個人的には私も、「寄り道」の考え方への比重のほうがまだ高いかもしれません。本書ではこれからは「寄り道」と「近道」を組み合わせて、バランスを取りながら双方を充実させていくことが大切であると述べています。
決して、育成制度をないがしろにすべき、ということではありませんが、求職者側、就活をする側は上記のような意識で就職先を探していることを企業側の皆さんにはご理解いただきたいと思います。
企業が具体的に何をすべきか?については、また機会をあらためて。
<next>
今年も毎年恒例の篠山マラソンにエントリーしました。
今年から制限時間が6時間30分と、大幅に延びたので、間違いなく完走はできるでしょう。いやいやレベルの低い思考にならず、4時間台でゴールできるよう、がんばります。
またご報告します。