シエスタ

シエスタ2022年

シエスタ2022年11月号

2022.11月号 vol.232

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今月のトピックス

ジョブ型雇用

岸田首相が安倍元首相の国葬前に出席した国連総会の後のニューヨーク証券取引所での講演で、日本企業の年功序列的な職能給からジョブ型の職務給中心の給与体系への移行を促す指針を2023年春までに官民で策定することを明言しました。専門的なスキルを給与に反映しやすくして労働移動を円滑にし、日本全体の生産性向上や賃上げにつなげる狙いがある、という意味合いがあるとのことです。有名どころでは日立、NEC、富士通、資生堂などがすでにジョブ型の人事制度へ移行しています。

「ジョブ型雇用」(以下、ジョ型)の反対は「メンバーシップ型雇用」(以下、メ型)となりますが、メ型が日本の企業に根付いたのが、1960年から70年代初頭にかけてで、今も結構な数で維持し続けているため、様々な歪みが生じているのは事実です。歪みといっても、ケースは様々ですが、メ型の場合、ほぼ賃金体系は「職務遂行能力は低下することはない」という概念の職能給制度を採用しており、実際、弊社へも、現行の賃金テーブルのままでは、雇用を維持していく限り、どんどん基本給が上昇していくしくみなので見直したい、というご相談が相次いでいます。メ型に対応する「職務給」は個々の職種の専門性や業務の難易度を重視します。年齢や勤続年数、職務の遂行能力を評価する「職能給」と異なります。

首相は各企業が事情に合わせて職務給を導入しやすくすると説明しました。「一律ではなく仕事の内容に応じたジョ型の職務給を取り入れた雇用システムへ移行させる」と語りました。しかし、一朝一夕に「これからジョ型に変えよう」となってもおいそれとはいかないでしょう。ただ、今回の首相の発言で大手企業は採用の面から見直さざるを得なくなり、それが中堅中小企業に浸透していくのも遅かれ早かれ、であろうと思われます。今言えるのは、ジョ型への転換には時間がかかるので、一刻も早く見直しに着手することです。中堅中小企業が必要性に迫られるはもうちょっと先かと思っていましたが、首相の発言でそんな先でもないな、と実感した次第です。続きはまたあらためて。

<next>

朝晩やっと涼しくなってきましたね。アウトドア用品メーカーのロゴスの氷点下キープシリンダーという水筒にアイスコーヒーを入れて 呑んでいます。氷が全然解けず、冷たいままでよかったのですが、そろ そろホットコーヒーにしようかと思う、今日この頃です。

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