2022.12月号 vol.233
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今月のトピックス
リスキリング
前号の「ジョブ型雇用」に続いて、これも政府が力を入れようとしているのが「リスキリング」です。ご存じない方は、これもピンと来ないかもしれません。私も最初「ジャイアントキリング(大番狂わせ)」の同義語かと思いました。経済産業省のサイトでは「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」「企業内で知識やスキルに関する職業能力の再開発を行う」という概念です。そんなの今までもやっているよ、という経営者やご担当者は多いかもしれません。従前の考え方と何が違うかというと、職場のDX化、AI化、自動化が急速に進展するのに伴い、今まで蓄積した仕事上の経験やスキルがあっという間に陳腐化することが予想されます。そうなると、その職場での存在価値もあっという間になくなりかねないという懸念がすぐに現実のものとなります。
「●年後になくなる仕事」などと未来予測が公開されたことがありましたが、事務職・生産職は余剰となり、逆にデジタル人材をはじめとする専門・技術職が不足し、その職種の給与水準がべらぼうに高額になっているケースも出てきています。岸田首相はこの「人への投資」に今後5年間で1兆円を投じる方針を掲げました。おそらく関連の助成金も来年度に創設、または増額されるでしょう。海外の大手企業はすでにこの状況を認識、いち早く「リスキリング」を実行し、リスキリングプログラムに参加した従業員は、参加していない従業員と比べて、1.1倍高い評価、1.3倍多い表彰、1.7倍の昇進を実現、離職率は1.6倍低くなった、というデータもあるそうです。
ただ、まだまだ誤解もあり、「これは一部のデジタル人材の育成・獲得の問題」「日本企業の得意なOJTの延長」「デジタルスキルよりも論理的思考能力などのソフトスキルのほうが重要」などと認識されるケースも多いようですが、そうではないようです。一定割合でリスキリングに抵抗する方々も出てくるでしょうが、「職務評価」を実行し、「キャリアの棚卸」は必須です。そうしないといい人は残りませんよ。
<next>
今、プロ野球の日本シリーズの真っ最中で、本号をご覧になる頃には決着がついていると思います。第1戦のオスナの三塁線の打球はフェアの判定でしたが、絶対ファールです。もし、オリックスが敗れたとしたら、この判定が流れを作ってしまった、と断言します。なんとかこの流れを覆してもらいたいものです。オリックスファンではありませんが。